木玉毛織の「手織り教室」に通っていたある日のことです。
置いてあったクッションカバーがとても良かったので木玉毛織の社長に伝えました。すると倉庫一杯のおびただしい「ハンガー見本」へ案内されます。昭和レトロでクラシック、尾州毛織の貴重なアーカイブ。まじめに丁寧に織られた上質の「ハンガー見本」の山なのでした。
およそ30cm×60cmのハギレ。これでは洋服が作れません。反物もなくハギレの山があるだけで、長く放置され、処分待ち状態。ほかの織物工場でも同じような状況とのこと。
クッションカバーは、その「ハンガー見本」をパッチワークしたものでした。
こんなにステキな生地が不要品扱いな現実が衝撃でした。 有効利用して尾州毛織の伝統文化を繋げていきたい、と木玉毛織の社長へ想いを伝えて協力を仰ぐと、ありがたいことに快諾を得ることが出来ました。賛同してくれるスタッフやサポーターも集まってきました。
こうして《尾州テキスタイル工房kagari》は、愛知一宮・木玉毛織株式会社の一画で2013年にスタートします。現在は小ロット受注縫製や洋裁教室をメインに活動。「ハンガー見本」を使ったkagariグッズで地域イベント出店も行っています。